新潟県の冠婚葬祭の特徴

新潟県では、約600年前からむこ投げという伝統行事があります。これは、前年に結婚した花婿を薬師堂前にある崖から雪の上に向かって放り投げるというもの。かつて、よそ者に村の娘を取られた腹いせから始まったもですが、その一方で夫婦の絆がより強くなるようにとの願いも込められています。花婿を投げ落とした後は、参加者全員で注連縄や正月の飾りを燃やして灰にし、雪と混ぜて墨にします。そして、無病息災と家業繁栄を祈りながら互いの顔にその墨を塗るのです。そこには、夫婦のこれからの幸せを願う真心がこもっています。このむこ投げは、誰でも参加できるというものではありません。前年に地区住民の女性と結婚した男性の中から選ばれます。

そして、新潟県では葬儀のときに香典の他にお見舞いという袋を用意する風習があります。葬儀の席では白と黒の水引きが常ですが、このお見舞いの袋には赤と白の水引きがついたものを用意します。これは、故人が生前中にお見舞いに行けなかったことへの気持ちを表したもので、通夜の席で遺族にお悔やみの言葉と共に渡すというもの。お見舞いとして包む金額は、相手との関係性もありますが、相場は1,000円~3,000円といわれています。

新潟県の葬儀では、この他にも赤飯で作ったおにぎりを1本の箸で食べたり、町内のグループが念仏を唱えてくれたりと、地域によって風習がそれぞれ異なります。知っておかないと、葬儀のときに大きなミスをする可能性もあります。新潟県で葬儀に参加するときには、周囲に風習などを聞いておくと恥をかくことはないでしょう。